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観覧車

​作品

​生き方について

 お菓子の夢が動いている間も、私は詩を書き続けていた。

 大学では文芸サークルに入り、部誌に作品を寄稿させていただいた。先輩方から文学フリマの存在を教えていただいたことは、特に大きな転機だ。最初はサークルみんなで、そのうちソロ活動で、やがて書くことを始めた母も一緒に、文学フリマに出店者として参加した。日記の中に書いていただけでは届かなかった人に、自分の言葉が届く。その感覚は得がたい喜びで、今の日々を本当に楽しく思っている。

 詩人になることも、私の夢だと思っていた。

 いわゆるプロには、ほど遠い。そりゃプロの作家になれればうれしい。活躍して、書くことだけで生計を立てられるようになることにも憧れる。でも、もしアマチュアのままだとしても、私は書き続けるだろう。たとえ誰にも読まれなくなったとしても。その時はごっこ遊びの感覚に立ち返って、自分を全力で楽しませるための物語を書くだろう。

 そうなると、この夢はどこで叶い、どこで終わるのだろうか?

 書かずにはいられない。気力や体力が足りずに休むことはあるかもしれないが、一切書かなくなるという未来は、今のところ想像できない。したくない。

 それはもはや夢ではなく、

 生き方だと呼んでしまってもいいのではないだろうか?

 生き方になった夢は、終わることがない。もし育てた夢が生き方になるのなら、いつかお菓子も生き方になるのだろうか。どんな状況になっても、お菓子だけは手放せない。そう思える時点で、すでに生き方に合流しつつあるような気もする。

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